光明 4


(4)
まだ小学生の時 ヒカルに負けて自分の碁に自信を失いかけた事があった。
でもその時でさえ碁の道に進む事に疑問を感じたことは微動だにもなかったアキラだが
今初めて胸中に波紋が広がった。
険しく困難な道を選んだ事については全く後悔はしていないが、その求める道は
神の領域に踏み込むものだったのだろうかと自分に問いかけた。
それは終わりのない自分との闘いであると同時に深遠で孤独な道でもある。
今さらながらアキラは思わず背筋がゾッとし身震いした。

しかし それと同時に
『神の一手はオレが極めるんだ』と いつかヒカルが言った言葉が頭によぎった。
そうだ・・・神の一手を求めているんはボクだけじゃない。
進藤もボクと同じ道を歩んでいる。
進藤が生涯のライバルである以上お互いを研磨し、より高みへと導き合い
神の領域に近付いていく。神の一手は1人では成し遂げられない。
進藤がいてこそ開かれる道でもある・・・。
アキラは再び碁石を持ち 新たに一手を打った。
雪が降り続く深閑とした夜の闇に その音は高く響いた。
「・・・あえて険難な道をゆかれるか。まあそれも一つの人生ですのう。」と僧侶は呟いた。
アキラは軽く息を吐き目を閉じた。



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