少年王アキラ 4
(4)
アキラ王は緒方をキッと睨み付けた。一国の王に対して傲岸不遜なその態度は
アキラ王の神経を逆撫でした。アキラ王と緒方の間に流れる緊張感は座間の体にも
伝わってきた。両者の間にある甘く激しい関係は、座間を陶酔の世界へと誘う。
座間は美しい二人をうっとりと見つめた。
「コスモスが気に入らなければ、バラや菊ででも占えばよろしかろう?」
緒方が揶揄した言葉にアキラ王は激高した。
「何を言うのだ!緒方!レッドに相応しいのは可憐なコスモスに決まっているだろう!」
「一目見たときからレッドはコスモスと決めているのだ!
そのために、我が国の国花をコスモスにしたのだ!それがボクのレッドへの愛の証だ!」
以前はこの国の国花は桜であった。
その美しさ、散り際の潔さを前王は愛した。
緒方は、アキラ王の怒りをそよ風ほどにも感じていなかった。
その様子にアキラ王の怒りはますます激しくなった。
「バラや菊など・・・菊など・・・」
アキラ王の頬が紅潮し、息遣いが荒くなってきた。
(;´Д`)ハァハァと言うアキラ王の息遣いに、座間はよけいに前屈みになった。
緒方への怒りをアキラ王は座間へと向けた。
「座間!お前がよけいなことを言うから悪いのだ!」
|