ルル3錠で我慢しとけYO 4
(4)
「そんなわけあるかよ。熱が出て動けないだけだよ」
アキラを放っておいて、浮気なんかするはずがないじゃないかアキラたん。
俺はつい正直にメールしてしまった。
しかし、しばらく待ってもアキラからの返事はない。
呆れられてしまったか、それとも浮気を信じて携帯電話でも壊してしまったか…
そういうことを考えながら、俺はいつのまにか眠ってしまっていた。
「…さん、尚志さん」
冷たいものが顔に当たり、俺は突然目を覚ました。
「アキラたん!」
飛び起きてしまった俺の肩をそっとアキラが押し戻す。
綺麗なアキラの顔をぼんやりと見ながら、俺はまた布団の中の住人となった。
「熱が出たなんて…。ボク、さっきまで携帯の電源を切っていたから知らなくて」
ごめんなさい。と、アキラは俺の胸の上にコトンと頭を預けてきた。
「いいんだよいいんだよアキラたん。俺こそごめんよ」
喉がいがらっぽくて、どうもいつものような声が出ない。ガラガラの喉を
咳払いでごまかしていると、アキラは近くのビニール袋からアクエリアスを
取り出してキャップをあけた。
「ああ、アキラたんありがとう……?」
俺は伸ばしかけた手を引っ込めた。
俺に買ってきたと思わせたアクエリアスを、アキラたんがごくりごくりと喉を鳴らして
飲みはじめたからだ。
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