セイジのひみつ日記 4
(4)
――その一言が、私が必死に守ってきた理性という壁を壊した。
私は2つの座席の間にあるアームレストを上げて、彼が羽織っているジャケットの裾から手を入れた。
彼がはいているコットンのパンツの前の部分に触れると、驚いた彼は手にしていたウーロン茶の
紙コップを取り落とそうとしたが、辛うじて零すことは避けられた。
「こういうことをするために、上着を着せたわけじゃないんだが…」
前を向いたまま私は彼を宥める。言葉で、そして指の動きで。
「キミがあんまり可愛いことを言うから、歯止めが利かなくなった」
「…――っ」
彼の身体が強ばる。しかし、彼が私を拒むはずがないことを知っているから、私はジャケットの下で
彼の分身を探り、弄った。ジャケットと暗闇でソコの状態がわからないのが余計互いの想像と触感を
敏感にさせたらしく、まだ直接触れない内に彼は息を上げていた。迸りそうになる声を必死に抑えて
いるのが判る。
私は張り詰めている彼を楽にすべく、下ろしにくくなったジッパーを片手で引っ張り下ろした。
下着の上から触れてもそこは生温かく、合わせ目の中から彼を取り出すと一気に周囲の湿度と温度が
高まったような気がした。そしてその生温かさは今も私の手の中に残っている。
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