性の目覚め・12才ヒカル 4
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ヒカルが友人に押し付けられたものは、写真集風の雑誌であった。エロ本とは言って
も、せいぜい際どい水着程度である。モザイクが必要となるような、局部を大写しに
したようなものは無い。
しかしそれでも、そういった知識のほとんど無いヒカルにとっては刺激の強いもので
あるのには変わらない。
「うっわスゲー…っつーか、何でアイツこんなの持ってんだよ!?」
初めて見る挑発的な女の裸に「スゲー」「スゲー」と騒ぐヒカルの横で、佐為はあた
ふたとヒカルの目を逸らせようとしている。
――ヒーカールー!!だから駄目だって言ってるでしょ!
――そもそもこの女の子たちは何ですか!裸同然の格好をして…!
自分が生きていた平安時代や、虎次郎と過ごしていた時期とは、もはや時代が違って
いるというのは分かっている。ヒカルの元に目覚めてからまだそんなに月日は経って
いないが、慎ましさ、そういったものの印象が以前と比べて薄れてきていることは何
となく窺い知れた。
とはいえ、物事には順序というものが有る。まだ幼いヒカルがこのようなものを見て
良いはずが無い。
――ヒカル!聞いてますかヒカルッ!!
必死になってヒカルを雑誌から引き離そうとするが、実体の無い幽霊のこと、直接的
なことは何一つできないのが歯痒かった。
そんな胸中もつゆ知らず、夢中でページを繰るヒカルに業を煮やした佐為がとった最
終的な行動は。
――もう、知りませんからね!フン!!
佐為は佐為で自らヒカルに背を向け、膨れっ面でベッドに座りこんでしまった。
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