金魚(仮)(痴漢電車 別バージョン) 4


(4)
 強引に手を取られて、アキラは戸惑っていた。ヒカルはどういうつもりなのだろう。
こんな風に手を握って、まるで…………まるで、恋人同士みたいじゃないか……。

 「よっと!」
ヒカルは、ベンチにドカリと座った。自分がスカートを穿いているという自覚がないのか、
大きく足を開いている。
 その大股開きに会社帰りのOLやサラリーマン達がギョッとして―中にはニヤニヤと
イヤらしい視線をヒカルに浴びせながら―急ぎ足で通り過ぎていく。
 「進藤、足!」
アキラは、慌ててジャケット脱いで、それをヒカルの膝の上に掛けた。
「いいよ……別に見られても困らねえモン……」
そう言いながらも、ジャケットは膝の上に掛けられたまま。
 それより――と、ヒカルはアキラの耳元に口を近づける。

――ドキッ

瞬間、心臓が止まりそうになった。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル