ルームサービス 4


(4)
その後のオレの任務は散々だった。頭の中をあの小さなぷっくりとした唇が、潤んだ大きな瞳がちらつく。
本当に信じられない。
あの機械音。ヴァイヴの音だった。何度かきいてるから間違いない。あの可憐な生き物の下のお口には間違いなくあの瞬間にヴァイヴがつっこまれて振動していたのだ。
「・・・・くっ」
たちそうになる、自分をこらえる。
勤務が終わるまでがとてつもなく長い時間に感じられた。

「もうすぐ彼が来るよ」
進藤にささやきかける。だが、進藤には聞こえているのかいないのか。ただ、弱弱しく首をふるばかりだ。
ムリもない。ぶっつづけに何時間もヴァイヴであえがされてちっとも休んでいない。しかも一度も達していない。前はかわいらしくたちあがったままずっとなので相当体力的にきついだろう。
「お・・・わらせて、とう・・・や・・・で。・・・・いき・・・たい」
塔矢の肩にアタマをすりつけながら、甘えるように懇願してくる。
「だめだね。何でもするっていったじゃないか。キミ。それにもうすぐあいつが来る時間だ」
進藤の瞳が見開かれ、唇が噛み締められた。
「本・・・気・・・塔・・・ぁああああ」
突然ヴァイヴを引き抜いたので、進藤は大きく体をのけぞらせて、ひきつった声をあげた。
その後、衝撃を耐えるよういしたを向いてあえいでいる進藤のワキとひざの下に手を入れ、もちあげた。
「何・・・・するの」
不安そうな瞳が聞いてくる。
「お迎えの準備、彼が来る前にね」

長い長い勤務が終わりようやく俺はその部屋の扉をあけた。
目に飛び込んできたものは・・・・。
机の上に、大の字に広げられた、一糸纏わぬ手足。
いや、正確には一糸もまとってなかったわけではない。その上にはさきほど。ルームサービスで持ってきた。サンドウィッチが乗せられていたのだから。



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