スノウ・ライト 4
(4)
さてイスミはヒカル姫を外に連れ出し、そして剣でもって切り付けました。
「何すんだよ、イスミさん!」
破れた服の合間から、その健康そうな肌が見えます。イスミバックン!
今までに感じたことのないときめきを覚えます。
スノウ・ライトはヒカル姫と呼ばれていますが、実は男の子。
しかしこの際、そんなの関係がありません。
「ヒカル姫!」
感情をコントロールできないイスミはいきなりヒカル姫にのしかかっていきました。
「わあ!」
「ヒカル姫、お后にあなたを殺すよう命じられましたが、助けて差し上げます」
言いながら服の中へと手を忍ばせます。鼻息がすでに荒いです。しかし。
「え?」
なんとヒカル姫、泣いているではありませんか。
こうなると気弱なイスミ、おろおろと手を放します。
「ま、負けました。どこへなりともお逃げください」
するとヒカル姫、大慌てで逃げ出しました。イスミ、必死の形相で追いかけます。
「何で来るんだよ! 逃げていいって言ったじゃないか!」
「オレも同じ道を歩きたい」
しかしヒカル姫、脚力には自信があります。あっという間にイスミを引き離していきます。
何とか追いかけたイスミ、道が二つに分かれたところでしばし迷います。
えい、と左を選び、進んでいきました。ところが行き止まり。
「……右にイッタほうが良かったんだ……」
がっくりしますが後の祭り。
さてヒカル姫、そのまま走って1軒の小屋へと飛び込みました。
ただいまより、休憩がはいります。
ベルが鳴りましたらご着席ください。
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