墨絵物語 4
(4)
茶室を参考にして作られたという純和風なアトリエに、
ズボンも下着も靴下もすべて奪われ、下半身を露出させた状態のヒカルが、
まるで昆虫のように畳の上に留められていた。
右足首に括られた紐はデッサン用机の脚に巻かれ、
自由なはずの左足は男の膝によって押さえ込まれている。
男が大筆を取った。
そしてはだけた学ランの下のTシャツをめくり上げると、
筆の先でピンク色の乳輪をなぞり始めた。
何度も何度も柔らかいタッチで繰り返される動きに、
ヒカルの体がわなわなと震え、不規則に背を反らす。
「───ッ!ウ、ウーッ!!」
ヒカルの反応に喉の奥で笑いを押し殺し、男はさらに筆先で乳首をつついた。
微細な毛の痛痒い刺激にヒカルの尻が浮く。
押し寄せる快感の波にピクンピクンと跳ね上がる身体と共に、
ヒカルのペニスもむくりと顔を上げ、小さく揺れだした。
男はその変化を目で確認すると、筆を下腹部へと移動させ、
腹の上で円を描いた後、その下の薄い蔭りに白い毛先を絡ませた。
強くもなく弱くもない、いままで与えられた事のない類の愛撫に、
ヒカルはどうする事も出来ず、ただただすすり泣くばかりだ。
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