初めての体験 4
(4)
「気持ちよかった?」
伊角は胸にもたれかかって、ハアハアと荒く息をつくヒカルに聞いた。
ヒカルは息を調えながら、和谷と伊角をうっとりと見つめて言った。
「うん・・・やっぱり、・・・してもらうと気持ちいい・・・。」
ヒカルの言葉に和谷と伊角は顔を見合わせた。
ヒカルは伊角から離れて、のろのろと衣服を整えながら言った。
「女のアソコって、色とか形とかエグイじゃん。感触もなんか気持ちわりぃしさ。
それに、あいつヘタクソなんだもん。」
『アイツって誰?』二人の疑問に気づいているのか、いないのかさらにヒカルは続けた。
「オレ、やっぱ、男とやる方がいいな。」
ヒカルはリュックを持って玄関に向かった。
「ほんとは、二人にもお返ししたいんだけど、今日オレ時間ないんだ。
これから塔矢と約束してるから。」
と、二人を振り返って言った。ヒカルは「じゃあな」と、一声かけて、出ていこうとしたが、
「あっ」と呟いて、戻ってきた。
「そうそう。和谷、CDサンキュゥ」
ヒカルは笑顔で、和谷にCDを手渡した。
そして、呆然と固まったままの二人を残して、元気よく出ていった。
<終>
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