初めての体験 Aside 番外・ホワイトデー 4


(4)
 「こんにちは――――塔矢〜いる〜?」
あ、あのハニーボイスは………!ボクは、慌てて玄関に走った。
 引き戸を開けると、進藤が大きな荷物を抱えて立っていた。お泊まり仕様だ。ボクの目が
バックを凝視していることに気づいたらしい。進藤は頬をちょっと赤らめた。
「えへへ…」
照れくさそうに笑う進藤。激ラブリー。ボクの下半身は既に臨戦態勢に入っていた。
 だけど、ここはグッと我慢だ。進藤と二人でティータイム。スウィートホワイトデーを
堪能するのだ。
 ボクはにこやかに進藤を招き入れた。
「あれ?なんか甘い匂いがするね?」
進藤がボクの髪に顔を近づけ、くんくんと匂いを嗅いだ。胸がドキドキする。進藤とは、
あんなこともこんなことも、とっくの昔に経験済みだと言うのに………ボクにもまだ純情な
ところがあったんだなと今更ながら驚いた。
「う……うん…進藤がおいしいって言ってくれたから…」
「え?チョコ作ってくれたんだ?」
進藤の瞳がキラキラと輝いた。
「うん、ケーキだけど…」
「ケーキ?スゲーなオマエ!」
言い様、勝手知ったるとばかりに、彼は居間へと駆けていった。

 進藤は、テーブルの上に用意されたケーキを見て、目を丸くした。
「スゲー………」
進藤が、感動している。ふふふ………。 
「あれ?コレ何?飾り…じゃない…なんか書いてある…」
 ケーキの表面にボクがアイシングで入れたメッセージだ。そこにはフォント20Pぐらいの
文字で「進藤愛」と、びっしり書かれている。
 それを見た進藤は、俯いて黙り込んでしまった。
しまった――――――――――!!ひかれたか!?
ちょっと偏執的だったか?ウケを狙ったつもりだったのに…………慣れないことはするもんじゃない。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル