肉棒だらけの打ち上げ大会 4 - 5
(4)
一瞬会場は静まり返ったが、皆ヤケになっているのか、またムリヤリに
盛り上げたてまくる。ヒカルが呆然としてアキラを抱えながら目の前の
成り行きを立ちつくして眺めていると、また芦原と奈瀬の2人がアキラを
撮り始めた。
「だっ──! もうヤメロよぉ!!」
ヒカルは大声で怒鳴った。
「まあまあ進藤君、そう熱くならないでさ。もう少し撮らせてよ」
「なによ、別に撮ったって減るモノじゃないでしょ。進藤のケチ──!」
カメラ小僧と化した芦原と奈瀬、それにヒカルの3人の けたたましい
言い争いがヒカルの腕の中にいるアキラの耳に届いた。その声がきっかけ
で岸本のかけた催眠術が解け、アキラは正気に戻った。
「進藤・・・・ボクは、いったいどうしたんだ・・・?」
「その・・・・・話せば短いんだけど、何て言っていいのか」
──ホントの事を話せば、プライドの高い塔矢のことだ。
マジぎれするんじゃねぇかなあ・・・・・コワ・・・・。
ヒカルがどうアキラに説明すればいいのかアレコレ悩んでいる中、
アキラは自分が浴衣の下が丸裸な事に気付いた。
「な、なっ、なんでボクは裸なんだ!? コレはどういうことだ進藤!!??」
「イヤだから、その〜えーとおぉお。どう話せばいいのかなあぁっ──!?」
いまいち現状を把握出来ないアキラを横に、ヒカルはアキラ以上に
オロオロと うろたえた。
そんなヒカル達をよそに会場は、行洋・緒方・加賀の3人の裸踊りが披露
され、酒もかなり進んだ事もあってさらにハイテンションになっていく。
その様子を遠くから森下九段が睨みつけていた。
(5)
「打倒塔矢を果たせず酒に溺れるのは、ざまあねえなあチクショー!」
鬱憤晴らしに多量の酒を飲んだのか、森下は目がすわっている。
「森下師匠、せっかくの宴会だから楽しくやりましょうよ」
門下生の一人である冴木が、荒れ気味の森下に さりげなくフォローする。
「そうですよ師匠、塔矢元名人はまだ碁を打っているのですから、打倒の
機会がありますよ。さあ、もう一杯どうぞ」と、同じ門下生の白川が森下
の盃に酒を注ぐ。
「あ〜、オレも二部にはもっと出演したかったぜ。必ずいつか塔矢や進藤
に追いついてみせるぞオレは! だけど・・・・・」
和谷はオレンジジュースを飲みながらチラッと会場を見てボソッと言う。
「最後の最後で目立つのは、塔矢門下だなあ」
和谷の何気ないその一言が森下の半分腐っていた闘争心に火をつけた。
「塔矢門下ばかりデカイ顔させてたまるかっ!
オイお前らも裸になって踊って来い──!!」
「師匠冗談きついっスよ」
大笑いながら和谷は森下を見た・・・、森下の目は とても大真面目だった。
「和谷、オレはマジだっ! その証拠にオレがまず裸になってやる」
森下は勢いよく豪快に服を脱ぎ、和谷が止める前にスッポンポンになる。
「げえぇえっ!」
和谷・冴木・白川の3人は、声にならない声を上げ顔面蒼白になった。
「・・・・・さてと、お前らも早く脱がんか──い!!」
「ぎやぃいああああうああああああっつ―――!!!!!」
最初に白川、次に冴木が森下に捕まり、あっという間に剥かれ、裸に
された2人は必死に股間を両手で隠して、その場で震え縮こまっている。
その様子を目のあたりにした和谷の顔から血の気がサーと引いた。そして
自分に方向を定め走ってくる森下から逃れるために和谷は猛ダッシュ
した。
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