性の目覚め・12才ヒカル 4 - 5


(4)
ヒカルが友人に押し付けられたものは、写真集風の雑誌であった。エロ本とは言って
も、せいぜい際どい水着程度である。モザイクが必要となるような、局部を大写しに
したようなものは無い。
しかしそれでも、そういった知識のほとんど無いヒカルにとっては刺激の強いもので
あるのには変わらない。
「うっわスゲー…っつーか、何でアイツこんなの持ってんだよ!?」
初めて見る挑発的な女の裸に「スゲー」「スゲー」と騒ぐヒカルの横で、佐為はあた
ふたとヒカルの目を逸らせようとしている。
――ヒーカールー!!だから駄目だって言ってるでしょ!
――そもそもこの女の子たちは何ですか!裸同然の格好をして…!
自分が生きていた平安時代や、虎次郎と過ごしていた時期とは、もはや時代が違って
いるというのは分かっている。ヒカルの元に目覚めてからまだそんなに月日は経って
いないが、慎ましさ、そういったものの印象が以前と比べて薄れてきていることは何
となく窺い知れた。
とはいえ、物事には順序というものが有る。まだ幼いヒカルがこのようなものを見て
良いはずが無い。
――ヒカル!聞いてますかヒカルッ!!
必死になってヒカルを雑誌から引き離そうとするが、実体の無い幽霊のこと、直接的
なことは何一つできないのが歯痒かった。
そんな胸中もつゆ知らず、夢中でページを繰るヒカルに業を煮やした佐為がとった最
終的な行動は。
――もう、知りませんからね!フン!!
佐為は佐為で自らヒカルに背を向け、膨れっ面でベッドに座りこんでしまった。


(5)
――ヒカルがそんな子だとは思いませんでしたよ!
初めて出逢ったその時は、何て可愛らしい少年なのだろうと思ったものだが…こんな
下品なものを見て喜ぶところがあるなんて…。
膝を抱えてブツブツと文句を言っていたのは数分間程度だろうか。
ふと気が付くと、ついさっきまでうるさくしていたはずのヒカルが静かである。
――ヒカル?
ひょい、と後ろから覗き込んでみると、ヒカルはその気配に驚いたようにビクッと顔
をあげた。ほんのり上気したような表情は、佐為も初めて見るものだった。
――どうしたんですか、ヒカル?
「あ…、あの…よくわかんないんだけど…」
両膝を擦り合わせるようにして動かし、もぞもぞと落ち着かない。
「何だか身体がムズムズする…」
少し熱っぽく潤んだ大きな瞳が佐為を見上げ、視線が助けを求めるように泳いでいる。
「佐為ぃ…オレ、どうしちゃったんだろ…」
下腹部を押さえるようにして前屈みに身体を折り曲げ、肩越しにちらりと視線をよこす。
その煽情的な眼差しに佐為はハッとした。
この純粋な子供には、生まれて初めての衝動なのだ。何故こんな気持ちになるのか、
そしてこのもやもやしたこの感触をどうしたらいいのか。それらが全て分からないのだろう。
普通ならば自分一人で解決してゆくものなのだろうが、ヒカルは無知故に佐為に縋って
しまっている。
さて、どうしたものやら…。
佐為が思いをめぐらせていると、うずくまっていたヒカルが急に起き上がって叫んだ。
「うわ―――ッ!オレのチンコおかしくなってる――!!!佐為〜〜〜!!」



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