大人遊戯 4 - 5


(4)
「じゃあ、キスしてもいい?」
アキラの唐突な申し出に、ヒカルは慌ててしまう。キスというのは男女がするものだと言う認識しかないからだ。
「ばっ…オレ達男同士じゃん!男同士でキスなんて、変だろっ」
「でも、好き同士ならキスするのは当たり前だよ」
「そうだけど…でも、そんなの…男同士でキスして大丈夫なのかよ」
予想外の事態に、ヒカルはアキラに気付かれないようにこっそりと、不安そうな視線を佐為に向ける。
(なあ…男同士でキスなんて、変だよな?佐為…)
(きす?きすとは何ですか?ヒカル)
(口と口をくっつける事だよ!)
(ああ、接吻のことですか。別に変じゃないと思いますけど…1000年前にも140年前にもありましたよ)
(エエッ!?そうなの?じゃ、オレ達ってキスしてもいいのかー…)
佐為はこの時全て了解していたが、敢えて口を挟む事はしなかった。ヒカルはその言葉で納得したが、
佐為は間違った事を言っていなければ、正しい事も教えていない事には気付いていなかった。


(5)
「進藤くんは、ボクとキスするの、そんなに嫌?」
傷ついたような表情のアキラに、ヒカルは慌てた。とても居た堪れない気分になってしまう。
「あっ!ううん、違う。好き同士なら変じゃないみたいだから、嫌じゃない!」
そう言うと、ヒカルはアキラに顔を近付けた。だが、勢いが良すぎた為に歯がぶつかってしまった。
二人とも口を押さえて涙目になりながら顔を見合わせた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ…痛ってー!!」
「っ痛ぅ…。し、進藤くん、もっとゆっくり…」
「ごめん…」
「じゃあ、落ちついて、今度が本番だよ」
「うん、今度が本番な…」
ゆっくりと唇を重ねると、今度は上手くいった。そろりと離すと、アキラが「もう一回」とねだった。
何度か触れるだけの口付けを繰り返していると、やがてアキラの舌がヒカルの唇を舐めた。
「わっ!何すんだよっ、びっくりするじゃん!」
驚いて体を離そうとするヒカルだが、握られたままの手で引き戻されてしまう。
「だって、緒方さんが女の人とキスしている時、こうやっているのを見たんだもの」
ヒカルは「緒方さん」と聞いてとっさに誰だか思いつかなかったものの、アキラが身近な大人の真似を
しているのだと言う事は理解できた。大人のする事なら、知らないキスの方法があるのだろうと推測する。



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