墨絵物語 4 - 5
(4)
茶室を参考にして作られたという純和風なアトリエに、
ズボンも下着も靴下もすべて奪われ、下半身を露出させた状態のヒカルが、
まるで昆虫のように畳の上に留められていた。
右足首に括られた紐はデッサン用机の脚に巻かれ、
自由なはずの左足は男の膝によって押さえ込まれている。
男が大筆を取った。
そしてはだけた学ランの下のTシャツをめくり上げると、
筆の先でピンク色の乳輪をなぞり始めた。
何度も何度も柔らかいタッチで繰り返される動きに、
ヒカルの体がわなわなと震え、不規則に背を反らす。
「───ッ!ウ、ウーッ!!」
ヒカルの反応に喉の奥で笑いを押し殺し、男はさらに筆先で乳首をつついた。
微細な毛の痛痒い刺激にヒカルの尻が浮く。
押し寄せる快感の波にピクンピクンと跳ね上がる身体と共に、
ヒカルのペニスもむくりと顔を上げ、小さく揺れだした。
男はその変化を目で確認すると、筆を下腹部へと移動させ、
腹の上で円を描いた後、その下の薄い蔭りに白い毛先を絡ませた。
強くもなく弱くもない、いままで与えられた事のない類の愛撫に、
ヒカルはどうする事も出来ず、ただただすすり泣くばかりだ。
(5)
大きく開かされた足の間にそそり立つヒカルの分身を、
男は手助けするように大きな筆で何度も何度も上下になぞった。
可愛らしいサイズのそれは、くすぐられる度に角度を変え、
固くなる毎に先端を潤ませる。
泣き声すらも禁じられたヒカルの目から溢れ出た涙が頬を伝い、
畳を濡らしていく。それと同時に先端からも白い露が
少しずつ吐き出され、その量を増しては性器を濡らしていく。
「まだ、イッてはダメだよ…。いい子だからもう少し我慢してごらん」
筆先がペニスから逸れ、隠れた秘所へと進路を変える。
アヌスの周辺を触れるか触れないかの微妙さで毛先がくるくると
回転すると、敏感な箇所がキュッと口を窄めた。
それを見るなり、男はいきなりその狭口へと大筆を突っ込んだ。
「ンンッ!!」
入口をチクチクと刺した毛先は中に入ると驚くほど繊細な動きで
あらたな快感を生み出し、ヒカルの身体を桃色に染め上げる。
男は筆を両手で高速回転させ、ヒカルの内部を上下八方自在に擦った。
「ふう、ンッ…んん…」
泣いていたヒカルの声が段々甘い響きを帯びてくる。
さらに筆を前後に動かすと、自らも腰を動かす豹変ぶり─。
(そろそろだな)
男は準備に取りかかった。
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