祭りのあと 4 - 6
(4)
駅に到着すると、客がいくらかホームに出たので余裕ができた。ヒカルはその隙に、アキラに背を向ける。そして乱れた浴衣を直した。
出発と同時に車内にはさらに客が乗り込む。
アキラももう限界なのだろう。支えきれず、ヒカルの体に覆いかぶさるようになった。
あまりの混み合いに、ヒカルは息苦しくなった。酸素が薄くなったのか、息が荒くなる。
それに反応したのか、アキラのものが存在をアピールするかのように硬くなるのを、ヒカルは腰の辺りで感じた。
ヒカルは深呼吸すると、口を押さえて息がアキラの耳に届かないようにする。
しかしアキラの手はゆっくりとヒカルの浴衣のあわせから進入し、乳首を弄った。
ヒカルは驚いてその手をどけようとする。しかしアキラの手には力がこもっていてびくともしない。ヒカルは声を漏らさぬように必死に口を押さえた。
アキラは次第に興奮し、ヒカルの足の間に体を割り入れる。人ごみで押される力も手伝って、アキラはいとも簡単にそれを成し遂げた。
ヒカルは尻の間でアキラのそれを感じると、必死に足を閉じて追い出そうとする。
アキラはそれを押し付けることでヒカルの抵抗を阻止した。
ヒカルは今にも怒鳴ってやりたい気分だった。けれどこんな人ごみの中で声をだす勇気などなく、アキラのされるがままになるしかなかった。
乳首を十分楽しんだアキラの手は、浴衣から出ると、ゆっくりとヒカルの下半身に下りてきた。そして浴衣の上からヒカルの太ももやそれをなでまわす。
ヒカルは泣きそうになりつつもそれに耐えていたが、アキラの手がまたあわせから進入しようとしたので、その手をつねった。
しかしアキラはかまわず入り込む。するとピタリと手が止まった。
ヒカルが下着を身につけていなかったからだ。
(5)
「進藤、せっかく花火大会行くんだから、浴衣を着てこいよ」
えーっ!とヒカルはめんどくさそうに言う。けれど浴衣を着て花火大会へ行ったことないということに気づき、ヒカルは浴衣を着ることを約束した。
「それと、進藤。浴衣を着るときは下着を着けないって決まりが日本には昔からあるんだ。だから必ず脱いでくるんだよ」
「はぁ? なにそれ」
ヒカルは目を丸くして聞いた。
決まりというのはもちろんウソだが、素肌に浴衣という布一枚を帯でとめただけのヒカル見たさに、アキラは熱心に説得する。
だが、ヒカルはそれだけはいやだと我を張った。あまりの意地の張りように、アキラはなくなくあきらめた。
(6)
アキラはうれしくなってヒカルのそれを握る。ヒカルはヒッと小さくないた。
内ももだけならまだしも、それを直に触られると、ヒカルはなにも考えられなくなった。
アキラはゆっくりとそれを揉んだり扱いたりすると、手をさらに奥へと伸ばした。
指先がヒカルの尻の穴にあたる。
ヒカルはいい加減我慢できなくなり、アキラの腕を思い切り引っ掻いた。
白い腕にうっすらと血の線が浮かび上がる。アキラはその痛みに手を引っ込めた。
やっと開放されたと安心すると同時に、アキラの腕が心配になった。
しかし身動きがとれない状態の今、アキラの様子など確認できない。
アキラはそれからピタリとヒカルの体を求めるのを止めた。
ヒカルはアキラが今どんな表情をしてどんな気持ちでいるのか不安になった。
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