初めての体験 4 - 6


(4)
「気持ちよかった?」
伊角は胸にもたれかかって、ハアハアと荒く息をつくヒカルに聞いた。
ヒカルは息を調えながら、和谷と伊角をうっとりと見つめて言った。
「うん・・・やっぱり、・・・してもらうと気持ちいい・・・。」
ヒカルの言葉に和谷と伊角は顔を見合わせた。

ヒカルは伊角から離れて、のろのろと衣服を整えながら言った。
「女のアソコって、色とか形とかエグイじゃん。感触もなんか気持ちわりぃしさ。
それに、あいつヘタクソなんだもん。」
『アイツって誰?』二人の疑問に気づいているのか、いないのかさらにヒカルは続けた。
「オレ、やっぱ、男とやる方がいいな。」

ヒカルはリュックを持って玄関に向かった。
「ほんとは、二人にもお返ししたいんだけど、今日オレ時間ないんだ。
これから塔矢と約束してるから。」
と、二人を振り返って言った。ヒカルは「じゃあな」と、一声かけて、出ていこうとしたが、
「あっ」と呟いて、戻ってきた。
「そうそう。和谷、CDサンキュゥ」
ヒカルは笑顔で、和谷にCDを手渡した。
そして、呆然と固まったままの二人を残して、元気よく出ていった。
<終>


(5)
「和谷」

手合いの後、帰ろうとした和谷を後ろから、ヒカルが呼び止めた。
ギクッと振り返った和谷にヒカルは、笑顔を見せた。その天真爛漫な
笑顔を見て、あの時のことは夢だったのではないかと和谷は思った。
このヒカルが実は・・・だったなんて。

「なあ。今からかえんのか?この後暇?」
と、ヒカルが顔をのぞき込んで聞いてきた。その仕草が妙に色っぽく
見えるのは、和谷の気のせいだろうか?
「い、忙しいんだ。オレ。こ、この後、約束があって!」
和谷は、顔を思い切り左右に動かし、両手をちぎれるくらい振った。
あまりに首を振りすぎて、ちょっと気分が悪くなった。
ふらついた和谷をヒカルが支えた。
「ちょ・・・!大丈夫かよ、和谷。」
和谷は、慌てて体をヒカルから離そうとしたが、ヒカルはがっちり腕を
掴んで離さなかった。そして、和谷を見て、
「気分が悪いんだったら、トイレで吐いた方がいいぜ。」
と、何か含みのあるような顔で言った。・・・ように見えた。
和谷は、ヒカルに引きずられるようにして、トイレに連れて行かれた。


(6)
トイレに入るなり、ヒカルは和谷を強引に個室に連れ込んだ。
「な、な、な、何すんだよ!進藤。」
和谷は、ひっくり返った声で怒鳴った。そんな和谷にヒカルは嫣然と微笑んで見せた。
そして、和谷の体を壁に押しつけながら言った。
「和谷・・・ホントはわかってんだろ?」
上目遣いに和谷を見る、その瞳の妖しさに股間がゾクリと疼いた。和谷は、
自分の中にわき上がった衝動に狼狽えた。
ヒカルが和谷のジーパンのファスナーに手を伸ばした。
「し・・・進藤・・・」
和谷は苦しげにあえいだが、ヒカルを止めようとしなかった。
「この間はしてもらったからな。今日はオレがしてあげるよ・・・」
ヒカルの手が和谷をやんわりと掴んだ。片手を添えるようにして、
緩急自在に手を動かす。その手の動きに反応して、和谷がゆっくりと
立ち上がり始める。
「う・・・あぁ!」
ヒカルの手淫に和谷は懸命に耐えた。眉間にしわを寄せ、顔をしかめている。

「和谷・・・我慢しないで。素直にオレを感じて・・・」
和谷の耳元でヒカルが囁いた。和谷の血液が一気に股間に集中した。
ヒカルは口元に笑みを浮かべると、和谷の前に跪いた。
「進藤・・・」
ぼうっとした顔でヒカルを見た。ヒカルの唇が和谷に触れた。
「!!進藤・・・!」
体中に電流が走った。ヒカルが舌先で和谷の先端をちろちろとなめた。
一旦、口の中に先端を納め、舌で愛撫した。唇を移動させ、下から上へ舐めあげる。
ヒカルの舌の感触に和谷自身がますます堅くなる。
手でするのとは違う温かくて、滑らかな口腔内の感触が、和谷を追い立てた。
「ああ・・・進藤・・・うぅっ・・・気持ちいい・・・」
ヒカルが和谷に軽く歯を立てた。ヒカルの口の中で和谷はまた大きくなった。
ヒカルが和谷を深く呑み込んだ。和谷の腰を掴んで、頭を前後に激しく移動させた。その動きにたまらず、和谷が進藤の頭を掴んだ。
「ああ!!進藤!で・・・でる・・・!」



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