無題 第2部 40


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だってここは、ボク一人の部屋だから。
だれもいない。誰の気配も、思い出もない。ボクだけの空間。
何も、誰も、ここには立ち入らせない、ボクだけの領域。
だからかもしれない。
家を出たのは―家にいるとつらいのは、一人でいると思い出してしまうからだ。
そして、いる筈の人の気配を探してしまうからだ。
あそこはボクが一人でいるべき場所じゃない。あそこは一人では寂しすぎる。
ここなら、ここはボクは最初から一人だったから、それでボクはゆっくり呼吸できる。
何もない殺風景な部屋だけど、ボクはここが好きだ。
必要なものは少しだけでいい。
寝るためのベッドと、碁盤と碁石。ただそれだけ。
それ以上は何も要らない。
誰も要らない。
だからボクは、寂しいなんて、思わない。
誰かに傍にいて欲しいなんて、思わない…。



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