少年王アキラ 40


(40)
「いやあぁぁぁぁぁッ!!」
レース終了直後のパドックにて観客達の悲喜交々なざわめきの中、一際大きな悲鳴が
響き渡った。
その発信源は馬券を握ったまま目を見開いて佇む茂人だった。
「ど、どうしたの?茂人たんの馬券のお馬さん、一番だったよ?」
506が周囲の迷惑そうな視線を気にしつつも、心配気に茂人の顔を覗きこむ。
だが茂人の両耳にはイヤホンが差し込まれており、506の声は届いていなかった。
右耳のイヤホンは競馬中継を聞くためのラジオに、そして左耳のイヤホンはオガタンの
眼鏡のフレームにこっそり仕込んである超小型盗聴機の受信機へと繋がっているのだ。
先程から盗聴したオガタンの予想馬券と同じ物を購入しては、兄貴とペア馬券♪などと
はしゃいでいた茂人だったが、今やその顔面は硬くこわばり青褪めている。
「ねぇ、どうしちゃったの?茂人たん!」
いつもとあまりにも違う茂人のその様子に、堪らずに506は腕を掴み揺する。
茂人はそれでやっと我に返ると、腕を掴む506の手を取り強く握り締めた。
「506たん、大変よ!…兄貴が、兄貴が、死んじゃう〜〜〜〜!!」
「ええ!?そんな…!」
「…506たん、兄貴のところへ行くわよ!」
事態が掴めずうろたえる506の手を握ったまま、茂人は猛然と走り出した―――



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