昼下がりの遊戯 40


(40)
ヒカルは震える指をスイッチに延ばした。その指先までが体にこもった熱のために赤く染まっていた。
スイッチを受け取る瞬間、僅かだがアキラの指がヒカルの手に触れた。
アキラの指も熱かった。
(こんなんじゃない、塔矢の生のがいい。これでオレん中を…)
ヒカルは、体を苛む熱にせかされるままにスイッチのレベルを最も高い所に押し上げる。
悲鳴を上げながら、布団に顔を押し付けた。
今まで、名前の通りに中でブルブルと身を震わし、せいぜいその震度が強くなるばかりだった
バナナの形のそれが、突然何かの生き物のようにウネウネと動き出したのだ。
「塔矢…塔矢……塔矢…」
ヒカルが、アキラの名前をかすれた甘い声で呼ぶ。
ヒカルは、中でうごめくそれを、自分の中を責めるアキラの指として想像していたのだ。



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