金魚(仮)(痴漢電車 別バージョン) 42


(42)
 「と、塔矢!?」
目を丸くしているヒカルの口を自分のそれで塞ぐと、ヒカルの肩を押さえ、そのまま前に倒れた。
 「ン…んん……」
ヒカルが苦しげに呻いた。その瞬間を逃さずに、舌を滑り込ませる。ザラリとした感触が舌先に
あたった。それはアキラが触れた瞬間、ビクンと奥へと引っ込んだ。それがヒカルの舌なのだと感じて、
アキラは積極的に追い掛け、それを絡め取った。
 そうして、ヒカルに情熱的なキスを与えながら、手をセーラー服の中へと侵入させた。
彼の薄い胸や、ぺこんとくぼんだ腹の感触を掌で味わう。ヒカルのすべらかな肌を撫でまわしながら、
上着を徐々に引き上げていった。もう片方の手で、スカートの下に手を這わすと、ヒカルの
身体がビクンと跳ねた。

 アキラはもう夢中になっていた。腕の中のヒカルが身動ぎして逃れようとするのを無視して、
服を剥ぎ取ろうとする。
 その時、後頭部に痛みが走った。ヒカルが平手で頭をはたいたのだ。
「痛!何をするんだ!バカ!」
「バカはオマエだ!」
アキラが怒鳴るとヒカルも負けじと怒鳴り返した。その剣幕にアキラは一瞬怯んだ。さっきまで
恥じらい、躊躇いながらアキラの思いを受け入れていた彼が、突然自分を突き放したのだ。
 ヒカルはアキラを睨み付けた。
「コレ!このセーラー服、借り物なんだぞ!?破れたり、汚したりしたらどうすんだよ!」
そう言って、アキラを押しのけると自分で服を脱ぎ始めた。



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