失着点・龍界編 42
(42)
白のランニングもブリーフもあっという間に取り払われた。
アキラは沢淵の暴挙から身を守るように体を縮めて横たわっていたが、
ようやく落ち着きを取り戻した沢淵によってベッドの上に仰向けにされ
足を伸ばされ、両腕を顔の両脇に押さえ付けられた。姑くの間
アキラは沢淵によって視姦された。沢淵はじっくりと指先、肩、膝から
臑にかけてアキラの体のパーツの一つ一つの造型を眺める。
「まるで精巧に彫刻された芸術品のようだな…」
沢淵の賞賛と愚劣な行為を無視してアキラは無表情に天井を見つめる。
時間をかけてアキラを目で楽しむと沢淵は手を伸ばし、皮膚の手触りを
味わい始めた。額から鼻筋、唇と指でなぞり、首、そして胸板へと
体の表面に手の平を滑らせて行く。
まだ中性的な幼さを残す肢体を隅々まで確認する。
そのまま脇へ手を運び、体の骨格を確かめるように腰からももの
体側を辿って足首までいくと、片足を持ち上げて足の甲にキスをした。
だが視線はその足の付け根部分にすでに移されていた。
沢淵はもう片方の手を足の内側にそって伸ばすとその先にあった体の中央の
最も柔らかな部分に指で触れる。刺激にそれがピクリと震え、その表面の
皮膚がわずかに動いた。
それでもアキラの視線は動かず、何の反応も示さなかった。
「まだ、完全には大人になりきれていないようだな…」
ごく淡く色付いているだけの果実を包んだ白い包皮をそっと撫でる。
「楽しみは後にとっておこう」
|