初めての体験 45


(45)
 桑原がゆっくりと手を上下にこすると、ヒカルの口から、鼻に抜けるような声が漏れた。
「はぁ…ふ…」
ヒカルの悶える様に気をよくした老人が、躊躇いもなくそれを口に含んだ。
「あぁ―や…やだ…」
ジュルジュルとすすり上げる音が部屋中に響いた。ヒカルは羞恥に喘いだ。
感じたくはないのに、快感がヒカルの体から力を奪っていく。それと同時に、
ヒカルの体を押さえる腕の力も、徐々に弛んでいった。
「やめて……!」
股間に神経が集中していたヒカルの体を、別の手が這い始めた。その手がヒカルの上着を
捲り上げ、乳首を嬲り始めた。
「あぁん…んん…やだ…」
指の腹で突起をつぶしたり、摘んだり、その度にヒカルの体がビクビクと跳ねる。
いつの間にか、ズボンも下着も取り払われていた。脇腹や内腿に手が這い、舌や指が
両方の乳首を弄んだ。ヒカルの体を好き勝手に弄る三人の手と舌に、ヒカルは翻弄された。
「…んあぁ…はぁん…あん…あん…ぁあ……」
ヒカルの唇からひっきりなしに嬌声が漏れる。与えられる快感に対抗する気力はもうなかった。
 桑原が顎をしゃくった。男達は小さく頷くと、ヒカルの腰の下に片腕を通した。そして、
もう片方の腕で、両側からヒカルの膝をすくい上げた。ヒカルは男二人に支えられ、
おむつを換えるように尻を高く上げられた。あまりにも恥ずかしいその格好に、ヒカルの体が
朱に染まる。すぐ側で、ごくりと唾を呑み込む音が聞こえた。

 「あ…は…あぅん…」
「薬がなくても、いいようじゃな…」
桑原が指でヒカルの後ろを嬲りながら、ヒカルの耳元で呟いた。
桑原の笑いを含んだその声にヒカルは泣きたくなった。涙に濡れた瞳で、ヒカルは
嘉威と俊彦を見つめた。『どうして―――?』と問いかける。
「ごめんよ…オレ達もおかしくなっちゃったんだよ…」
「さ…さいしょ…か…ら…?」
グルだったの―――?ハァハァと喘ぎながらヒカルは訊ねた。



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