失着点・展界編 45


(45)
緒方の返事はなかった。ただじっとヒカルを見つめている。やはり何度見ても
色が薄いという印象のその目は、ある種の同情を持っているように思えた。
それを振り切るようにヒカルは緒方の壁に付いた手の下をくぐり抜けて
リュックを降ろし、上着のシャツを脱ぐ。チラッと緒方を見ると、
緒方は壁にもたれて腕組みをし、ヒカルの様子を観察している。
ヒカルは緒方と目を合わしたままTシャツを脱ぎ、靴下を取り、ジーパンの
ファスナーを下ろした。
その時緒方が壁際から離れてヒカルに近付いてきた。
「…本当にいいのか。」
ヒカルは少しビクリとする。
「…言っておくが、子供の遊びじゃないぞ。」
そう。子供の遊びじゃないものを、自分は欲しい。
そう答える代わりにヒカルは全てを脱いだ。
それと同時に背後から緒方に強く抱き締められた。
緒方はヒカルの髪にキスをし、顔を横に向かせて斜め上から覆いかぶさるよう
にしてヒカルの唇を塞ぐ。首筋から肩に舌を這わせ、そしてまた唇に戻る。
突如始まった激しいキスの応酬にヒカルの体が戸惑う反応を示したが、両手首
を掴まれ、余分に動く事を制限されてそのまま長椅子の上に押し倒された。
「…緒方せんせ…待っ…」
シャワーを浴びたがったヒカルを辱めるように、肩から腕、首から胸、腹部と
あらゆるところを何かを味わうように舌を這わしてなめとって行く。再度
唇を吸うために戻って来た緒方の目は、完全に、先刻までの分別ある“大人”
のものではなく、征服する獲物を捕らえた“男”のものと変質していた。



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