Shangri-La第2章 46
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アキラが振り返ると、ヒカルは座椅子の上で
抱いていたアキラを失い、バランスを崩したままの
異様に不自然な体勢なのに、起きそうな気配は露ほどもない。
「進藤、そんな変な姿勢で寝たら、後で身体痛くなるよ?」
その不思議な格好がおかしくて、半分笑いながら声をかけた。
ヒカルは弱く唸っているが、やはり動きそうには思えない。
パジャマを用意すると、アキラはもう一度、ヒカルを促した。
「進藤、着替えて布団で寝て……ここに寝間着あるし
布団もそこにあるし、すぐ寝られるから、ほら、早く」
「んー…………」
ヒカルはやっと身体をずらすと、唸りながら目も開かずに這いずり
ようやく布団まで辿り着いて、そのままその上に伏せて丸まった。
尺取り虫かなにかを移動させているかのようで、可笑しい。
「進藤…、着替えて、布団の中で寝て欲しいんだけど?」
「ん、んんぅん…」
なんとなく返事はあるが、かといってヒカルが動く気配はない。
余程眠いのだろうが、その姿が笑いを誘うのは何故だろう?
しかし、ヒカルをこのまま放っておくわけにもいかない。
(とりあえず、着替えさせないと…)
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