失着点・龍界編 46
(46)
それまで優しかった人物像が豹変した沢淵に三谷は抱かれた。3人の男達に
押さえ付けられてめちゃくちゃにされた。男達に交互に姦わされ、どんなに
泣き叫んでも沢淵は止めてくれなかった。
「仕事」は倍に増やされ、金のほとんども巻き上げられた。
ようやく沢淵の本性に気が付いたがもう遅かった。
三谷はもう辞めたいと言ったが、聞き入れてもらえなかった。
反発して店に出向かなかったりすると容赦なく「制裁」を加えられた。
でも完全には逃げられなかったのは恐怖ばかりだけではない。
少なくとも囲碁を教えてくれている時の沢淵は厳しかったが真剣だった。
「お前はもっと強くなるぜ、それは間違いない。オレが強くしてやる…。」
自分に居場所を与えられたような気がした。それは誤った場所だと
分かっていたが、少なくとも誰かの事を忘れる事が出来るような気がした。
その誰かが、今自分の目の前にいる。
もう接点がないと思っていたそいつと、自分は今繋がっている。
熱い接点と呼吸の中で三谷は心の中で叫んでいた。
―オレは、お前と囲碁を打ちたかったんだよ…!
それを口にする資格が今の自分にはない事も、分かっていた。
「くっ…!!」
三谷の体の奥が痺れ、電流が走ったように全身が震えた。到達して
ヒカルの中に放った三谷が我に還る。ヒカルもとうに三谷の手の中で果て、
半ば気を失うように三谷の体の下でぐったりとしていた。
|