失着点・展界編 46
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室内に低く静かにモーター音が響く。その音に混じってまだ幼い熱い吐息が
繰り返されていた。両手首を掴まれたまま、仰向けにあるいはうつ伏せに
されてヒカルの上半身はくまなく緒方の舌に愛撫され続ける。
それはまだ、敏感な胸の突起には触れていない。未熟な情念を焦らして
楽しむように、緒方の舌はそこへ近付きかけては遠のく。
「や…あっ…っ」
その段階ですでにヒカルの体は十分すぎる程に興奮させられていた。
もう長い間皮膚を通してじわじわと刺激されていた。エンジンを温められる
ように、体内の全てのそういうスイッチを入れられて行くように。
同じ首筋へのキスでも最初の頃にされたものと今ではまるで違った。
熱い吐息がかかるだけでザワリと身の毛が立ち、舌が触れて来ると電気が
走るような切ない刺激が走る。自然と喘ぎ声も大きくなる。
「はあっ…アッ…!!」
「…感度が良いんだな…。」
羞恥心を煽る緒方の言葉によって更に感度は強められる。
ヒカルは首を振って、緒方に目で何かを訴えようとした。
若い性が早く結論を求めている。覆いかぶさっている緒方の腹部あたりで
固く主張し始めているものがいる。
「…我慢が足りない子は、嫌いだな。」
緒方の舌がくっきりと膨らみ上がった胸の突起を捕らえた。
「…っ!!」
ビクンッと激しく反応しながらも、緒方に反発するようにヒカルは声を押さえ
歯を食いしばって気を失いそうな快感に耐えた。
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