失着点・龍界編 46 - 47


(46)
それまで優しかった人物像が豹変した沢淵に三谷は抱かれた。3人の男達に
押さえ付けられてめちゃくちゃにされた。男達に交互に姦わされ、どんなに
泣き叫んでも沢淵は止めてくれなかった。
「仕事」は倍に増やされ、金のほとんども巻き上げられた。
ようやく沢淵の本性に気が付いたがもう遅かった。
三谷はもう辞めたいと言ったが、聞き入れてもらえなかった。
反発して店に出向かなかったりすると容赦なく「制裁」を加えられた。
でも完全には逃げられなかったのは恐怖ばかりだけではない。
少なくとも囲碁を教えてくれている時の沢淵は厳しかったが真剣だった。
「お前はもっと強くなるぜ、それは間違いない。オレが強くしてやる…。」
自分に居場所を与えられたような気がした。それは誤った場所だと
分かっていたが、少なくとも誰かの事を忘れる事が出来るような気がした。
その誰かが、今自分の目の前にいる。
もう接点がないと思っていたそいつと、自分は今繋がっている。
熱い接点と呼吸の中で三谷は心の中で叫んでいた。
―オレは、お前と囲碁を打ちたかったんだよ…!
それを口にする資格が今の自分にはない事も、分かっていた。
「くっ…!!」
三谷の体の奥が痺れ、電流が走ったように全身が震えた。到達して
ヒカルの中に放った三谷が我に還る。ヒカルもとうに三谷の手の中で果て、
半ば気を失うように三谷の体の下でぐったりとしていた。


(47)
おそらくヒカルは限界を超えた事を何度か三谷に訴えたのだが、三谷の耳に
届いていなかったのだろう。ヒカルの頬に幾筋もの汗と涙が伝わり落ちた跡が
残されていた。無意識に三谷は指でそれらの痕に触れようとして手を
伸ばしたが、ヒカルに払い除けられた。
「…フッ」
三谷は自分を嘲うように笑みを浮かべてヒカルから体を離した。
疲れ果てたという表情でヒカルはズボンを履いた。
「早く塔矢のところに連れて行けよ…」
「…さあね。」
三谷はヒカルから顔をそらし服を身に着けながら答える。
ヒカルが驚いたように三谷を見る。
「何だと…?」
「オレはそんな話、知らないから」
「…三谷イ!!」
ヒカルはカッとなって三谷にとびかっかり、殴った。
さらに馬乗りになって殴り続けようとした。
「なんてガキだ。」
モニターを見ていた男達が慌てて部屋に入って来てヒカルを
押さえ付けようとした。
「うわああああーーー!!!」
ヒカルは男達に枕を投げ付け、一人に食らい付いて床に倒し手に噛み付いた。
「いでででで!!」
もう一人が後ろからヒカルを捕まえて引き離して両腕を後ろにひねり上げた。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!