初めての体験 46 - 48
(46)
「―――!あぁ―――――!!」
その時、桑原がヒカルの中に強引に押し入ってきた。二人の返事が肯定だったのか、
否定だったのかは、ヒカルにはわからなかった。
「うぅ…あ…あぁ…」
桑原に乱暴に突かれ、ヒカルは体を仰け反らせた。
「痛…い…やめて…せん…せ…あぁっ」
桑原は、体重をかけて完全に自身を埋没させると、ヒカルをゆっくりと突き上げ始めた。
深く、浅く、緩急つけて自在にヒカルを責める。
「ああん…ああ……いい…ふぅん…いい…せん…せ…」
桑原の老練な技に、体は快感に熔け、ヒカルの声が次第に甘くなる。
ヒカルの両側で体を支えていた男達が、それぞれヒカルの手を取った。
ヒカルの手に己の堅く猛ったものを握らせ、その上から自分の手を添え上下に激しく擦った。
ヒカルの嬌声と男達の荒い息づかい、体から滲み出る汗や体液の匂いが部屋の中の空気を濃厚にする。
心臓の音が頭の中で響いた。
「あぁ―――――――っ」
ヒカルが一際高く悲鳴を上げた。体がビクビクと痙攣を起こした。
ヒカルは己の放った精液を自分の胸と腹に受けた。そのヒカルより一瞬遅れて、
嘉威と俊彦、そして、桑原がヒカルの体の内側と外側の両方を汚した。
(47)
「あぁ…はぁ…はぁ…あぅ…!」
再び、桑原がヒカルの中で動き始めたが、もうヒカルにはどうでもよかった。
男達の手が、ヒカルにかかった精液をその胸や腹に塗りこむように体中をさすった。
「ああ…やだ…や…」
「かわいい…かわいいよ…ヒカルタン……」
二人の譫言のような呟きが、ぼんやりとしたヒカルの頭の中に届いた。
翌日、痛む腰をさすりながら、ヒカルは仕事をこなしていた。昨日と同じく指導碁だ。
最初ヒカルは警戒していたが、幸いなことに、桑原達は会場には現れなかった。
どうやら、満足したらしい。『あんだけ、やれば当然か…ジジイのくせにタフだよな…』
(48)
「進藤!」
突然、呼びかけられた。よく知ったその声にヒカルの表情がパッと輝く。アキラであった。
「塔矢…!どうして…?」
「どうしてるかと思って、様子を見に来たんだ…。迷惑だった?」
ヒカルは思い切り首を振った。
「すっげえ嬉しい!おまえと一緒だったらってずっと思ってたから…」
ヒカルが満面の笑みを浮かべて、アキラに答える。それがあまりにも可愛くて、アキラは
正面から見ることが出来ず、顔を赤らめて、視線を落とした。
「あれ…?進藤、腰どうかしたの?」
ヒカルの手が腰をさすっているのが目に入った。
「あ…これ…?昨日、桑原先生に指導碁のつきあいさせられてさ…もう、何時間もずっと
…腰が痛くなっちゃって…」
「桑原先生…来てるの?」
「休養だってさ……あんな元気な爺さんに、そんなもん必要ねェよ!」
ヒカルが珍しく不機嫌そうに返事をする。アキラは、よほど大変な目にあったんだなと
同情し、ヒカルの頭を撫でた。
「でも、もういいや。塔矢が来てくれたしね。」
アキラに優しく慰められて、ヒカルも機嫌を直した。鼻歌混じりで、中断していた仕事を再開する。
アキラは邪魔にならないように、ヒカルの脇に立った。ヒカルがチラッとアキラに
視線を投げて、はにかむように笑った。
アキラはヒカルの笑顔に、ガッツポーズをした。もちろん、心の中でだが…。
そして、ヒカルも、心の中で手帳の注意事項を書き足した。
桑原本因坊……その二 ろうかいな作戦に(以下略)
伏兵にも要注意だ!ゴルァ(゜Д゜)
<終>
|