金魚(仮)(痴漢電車 別バージョン) 47


(47)
 ヒカルはアキラの髪に手を差し込み、さらさらと梳いた。彼がそうやって自分の髪を弄んでいる間、
アキラはヒカルの首筋に軽く口づけた。ヒカルの身体が小さく揺らぐ。
 そのまま唇を滑らせ、鎖骨の辺りで一旦止まる。ソコに強く吸い付いた。
「あ…」
ヒカルの白い肌に、紅い模様が浮かび上がる。鎖骨の窪みに小さな赤い斑点。
「ここにも金魚が泳いでるね…」
「………ん…なに…?」
目元を薄紅色に染め、自分を見上げるヒカルに「なんでもない」と、微笑んだ。
 それから胸や腹にも小さな点を残していく。アキラは、金魚を泳がせることに夢中になった。
 ヒカルの肌の上を泳ぐ金魚は徐々に増えていく。そうして、それにつれ、ヒカルの呼吸も
荒くなっていく。
「あ…あ…やだぁ…」
ヒカルは堪えきれないように、アキラの頭をかき抱いた。
 アキラの鼻先に、ヒカルの小さな乳首があたる。少し顔を持ち上げて、舌を伸ばしてそっと舐めた。
「や…」
腕の中でビクンと跳ねた身体の感触が、鉢から飛び出したアキラの金魚のイメージに重なった。
「ダメ…逃げちゃダメだよ…!」
ギュッと強く抱きしめて、もう一度胸に唇を押しつけた。



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