無題 第2部 48


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―ヤベェよ、オレ…なに男の寝顔にドキドキしてんだよ…
マズい、この顔から目を離さなければ、と思いながらも、目が離せない。それどころか、その唇に
触れたくてたまらない。
―ちょっとだけ、ちょっとだけなら、わからないよな?大丈夫だよな…?
ヒカルの手がそうっとアキラに伸ばされようとしたその時、まるでそれを察したかのように、ゆっくり
とアキラの目が開いた。
それはまるで朝の光を浴びて白い花が開いたかのようだった。
ぼんやりとしたその目がヒカルを認めてか、アキラの顔がほころんだ。
突然微笑みかけられて、ヒカルは真っ赤になった。
が、そんなヒカルに気付きもせず、アキラは軽く目をこすった。
「…ん…」
まだ目が覚めきらないアキラはぼんやりとあたりを見回し、ヒカルを認めて、また、軽く微笑んだ。
「あ…進藤、おはよう…」
「お、おはよ、塔矢、えと、まだちょっと早いみたいだけど、オレ、起こしちゃったかな、ゴメン…」
しどろもどろになって、ヒカルは応えた。
顔が熱くなって、きっと耳まで赤くなっているのだろうと、ヒカルは思った。しかも熱いのは顔だけ
ではなかった。身体の中心でドクンドクンと脈打っているものがある。だがこれをアキラに悟られる
わけにはいかない。
「ゴメン、オレ、ちょっとトイレ行ってくるわ…。」
前かがみになって、そそくさとヒカルは出て行った。



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