失着点・龍界編 48


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それでもヒカルは足を振り上げ暴れ続けた。手を噛まれた男がヒカルの顔面や
腹部を激しく数発殴った。
「ぐ…ふっ…」
ヒカルは腹を押さえて崩れるように床に膝をついた。
「か、顔は止めとけ。沢淵さんのお気に入りだ。」
ヒカルの後ろにいた男が声をかける。だが次の瞬間、「ぎゃあ!」と叫んだ。
ヒカルが今度はその男の足にしがみついて太ももに噛み付いて
来たからだった。
「いい加減にしろこのガキ!!」
手を噛まれた男がヒカルの髪を掴んで立たせるともう一発顔を殴り、
その衝撃でヒカルは壁に叩き付けられた。そのまま二人の男から腹や背に
数回蹴りを入れられようやくヒカルは動かなくなった。
三谷はただ呆気にとられたように呆然とその一部始終を見ていた。
…まさか、進藤の奴…、
「やれやれ、顔に似合わずとんでもないガキだな…」
「おとなしくしていれば今日はこれで済ますところだったが…
沢淵さんのとこに連れて行くか…。」
床にうつ伏していたヒカルの口元が小さくニヤリと笑むのを三谷は
見逃さなかった。
…そんなに塔矢のことを…進藤…
三谷は、ヒカルが一か八か塔矢の居る所に連れて行かせるためにわざと
暴れたのだと分かった。



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