初めての体験 Asid 48
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「なぁ…オレを…どないするんや……?」
掠れた声で問いかけてくる。どうするもこうするもヤルことは、一つに決まっているじゃないか。
それにしても惜しいな…今日は縄も手錠も持っていない。どっちにしろ動けないんだから、
必要ないんだけど、ビジュアル的に物足りないというか…。
ボクは、ちょっと考えた。………あれが使えるかもしれない。ボクは、動けない社を
一人置いて、一旦そこを出ることにした。
「ちょぉ…待……」
苦しそうな声が追いかけてきた。心配しなくてもすぐに戻るよ。他の人に、見つからないうちにね。
でも、そっちの方が、キミにとっては幸福だと思うけどなぁ。
ボクは、外からは簡単に見えないように襖の影に社を移動させ、扉をしっかり閉めて出ていった。
十分ほどで戻るつもりだったのに、結構時間をとってしまった。急いで部屋に入ると、
社はまだ倒れたままだった。本当に動けないらしい。良かった。自分で試さなくて…。
もし、試していたら、倒れたまま一週間ぐらい見つけてもらえなかったかもしれない。
「あ…あんた…とうや……」
社が、苦労して首を持ち上げた。目に安堵の色が浮かんでいる。一人で裸で放っておかれて、
相当心細かったみたいだ。自分を酷い目にあわせたボク何かを頼るなんて……。可愛いヤツ。
ほんの少しだけそう思った。
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