昼下がりの遊戯 48


(48)
ヒカルが瞬きをする度に、睫毛にたまった涙がキラキラと光る。口角にこびりつく
白濁をぺろりと舐めとり、そのままアキラ自身を両手で包み込むと今しがた放った
ばかりのそれをもう一度舌で刺激した。
「塔矢、ねぇ…お願い…」
舌使いも吐息交じりの熱いおねだりも、相当切羽詰ったものが感じられる。
「…とーやぁ……」
「うん。わかったよ…」
アキラがヒカルの両肩を掴んで身を起こさせる。力の入らない身体はアキラに預け
られた。思わず、愛らしくピンク色に染まった頬に伝う涙の跡を舐めとると、ヒカ
ルは軽く身じろぎし、きゅっとつむった眦からはまた新たな跡が生まれた。
「ん…」
向かい合った格好で、ヒカルがアキラの首に腕を回してきた。何とか自力でアキラ
の膝の上までずり上がろうとしてもがくが、既に腰は砕け、腕も力が抜けてしまっ
ている。
アキラはヒカルの腰を支え、その軽い身体を膝の上に乗せた。そうして安定感を得
たヒカルは、アキラの首筋に自分の頭を摺り寄せてきた。
耳元に吐き出される荒い息を感じる。よく聞いてみると、その中に声にはならない
言葉が聞き取れた。
「…とうや……は、はやく…おねがい……」
アキラは、ヒカルをそんなに必死にしているものが自分だということに陶酔感を覚
えた。一瞬だけ華奢な身体をきつく抱きしめ、アキラのものを待ち望んでひくつく
門に指を伸ばす。



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