Shangri-La第2章 49
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「もうっ!何だよ何だよ何だよっ!!!」
顔も目も、耳まで真っ赤にしてアキラはヒカルに怒鳴りつけた。
(…ったく、人の気も知らないで……)
それでも変わらず、気持ちよさそうに眠っているヒカルの目には
唇をこれ以上ないほどに尖らせて、
泣きそうなほどに潤んだ瞳で睨みつけるアキラが映るはずもない。
アキラはしばらくそのまま立ち尽くしていたが、
どうにもならず、結局、先程までヒカルのいた座椅子に座り、
傍らに置かれた、冷めきったお茶の入ったカップを取った。
別に、何がしたかったわけでも、何をして欲しかったわけでもない。
そう思ってはいるのだが、やはり目の前に居ると
色々と期待せずにはいられない。
「あーあ、ボクももう寝ちゃおうかなぁ…」
眠るにはあまりに早い時間だったが、ヒカルが眠ってしまった以上
する事もないし、ただここでこうしていても、もやもやするばかりだ。
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