初詣妄想 5
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「うん、大丈夫。いい感じ。それより、あとで後ろ姿も見せてよ」
「いいけど……、後ろは、前よりずっと凄く妙な感じだよ?」
そりゃあそうだろう。そんなデザインの服と知っていて買ったのは、他でもない俺だ。
「へぇー、どんな感じなのか、見たいなあ…」
「それじゃ…」
アキラたんは早速後ろを向いて見せようとしてくれたのだが。
「アキラたん!だったらお参りの後、家に来ないか?うちでゆっくり見せてよ」
「え……」
アキラたんは言葉に詰まって、視線をふらふらと彷徨わせながらも俺を見つめている。
ああ、なんて可愛いんだアキラたん!
「でも、いいの………?」
やっと搾り出された言葉も、その遠慮がちな仕種もまた可愛い。
「うん、アキラたんに遊びに来て欲しいな。駄目かな?時間ない?」
「ん…じゃあ、ちょっとだけ、お邪魔しようかな…」
アキラたんは、遠慮なくがっつきはじめている俺に、はにかんだような笑顔をくれた。
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