第162局補完 5


(5)

「…塔矢ぁ、」
宥めるようにアキラの髪を撫でながら、呆れたような口調でヒカルは言う。
「そんな、意地張ってつまんないウソつくなよ。」
「ウソじゃない。本気だ。」
「ウソだよ。」
きっぱりと否定するヒカルに、呆れを通り越して腹が立つ。
「なんでそんなに図々しいんだ。なんでそんな自信があるんだ、キミは。」
「なんでかなんて、そんなの……」
言いかけながらもヒカルは思う。

だってオマエがずっとオレを待っててくれたの、オレは知ってるから。
それにこうやってオレを見るオマエの目は、さっきからずっと、言ってる言葉と全部逆だ。
だってオレを見て嬉しそうにしたじゃんか。
怒るのはオレが会わないって言ったからだろ?それってオマエはオレに会いたかったってことじゃん。
放って置かれて寂しかったって言ったじゃん。
もっと素直になれよ、塔矢。
「…放せよ。キミなんて嫌いだ。」
「でもオレは塔矢が好きだよ。」
ストレートに言ってやると、塔矢は目を見開いてオレを見る。
ああ、オレ、オマエのそういう顔ってすごく好きだ。
「塔矢がオレの事嫌いでも、好きじゃなくても、オレは塔矢が好きだよ。」
更に言ってやると、また悔しそうに口元を歪めて目をそらす。
なんかもう、オマエって、ホントに、どうしてそう素直じゃないんだ。



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