Hope&Wish 5


(5)


窓の外から聴こえる潮騒の旋律。差し込む朝日の眩しさに目が覚めた。
気を失って、そのまま眠ってしまっていたらしい。
「――塔矢」
進藤がボクの顔を見つめていた。
ああ、数時間ぶりに彼の声を聞いた。
「…進…藤…」
ボクは手をのばして、彼の髪を撫ぜた。
と、進藤が、ふいにそのボクの手を掴むと、自分の口元に寄せた。
ボクの指に彼の唇がふれる。
「オレは、これからも、この指と碁を打ちつづけるんだな。何十局、何百局、何千局…。
きっとオレは生涯、碁打ちだ。オマエの言う通り、終わりなんかないんだ」
「………」
「オレはアイツの遺志を受け継いだ。だからオレは神の一手を極めるんだ。
遠い過去と遠い未来を繋げるんだ、オレの手で」
そうやってキミは一人で何もかも背負っていこうとするのか。
――ボクがいるのに。ここにボクはいるのに。



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