光明 5


(5)
アキラは雪がうっすらとおおった道を早足で歩き家路へと急いだ。
まだ少し雪がちらついている。寺院にかなり長居してしまい遅くなってしまった。
もう初詣に行くのか この寒い中かなりの人が賑わいながら歩いていた。
その中にヒカルと背格好のよく似た少年の姿がアキラの視界に入った。
気になり目で追ってみたが別人だった。アキラの脳裏にヒカルの顔がフッとよぎった。
アキラは歩いてきた道の反対方向へ いきなり体の向きを変えて足早に歩き始めた。
自分がなぜそのような行動を取るのかアキラ自身よく分からない。
頭が思うより体が先に動いているような状態だった。
ただアキラは これだけは理解出来ていた。
「進藤に会いたい。」という想いが今の自分を支配している感情であるという事を。

雪は小降りになったとはいえ30分程外にいれば頭や肩にうっすらと雪が積もる。
アキラは今まさにそのような状態だった。
ヒカルの家の電話番号・住所は以前ヒカルに教えてもらい手帳にひかえていたので
家を見つけることは容易だった。
でも大晦日の夜更けに他人の家を訪ねるのは常識はずれである事は百も承知なので
ただヒカルの家の前で立ちすくしていた。
アキラは自分の取った行動に自分で驚き呆れていた。
「本当に馬鹿だなボクは・・・。
進藤の家の前でこの寒空の中30分も立っているなんて何を考えているのだろう。
父さん達もきっと心配しているだろうな。・・・もう帰ろう・・・。」
冷えて感覚が鈍くなりかけている足を引きずり帰ろうとするアキラの目に いきなり強い光が飛び込んできた。



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