ルル3錠で我慢しとけYO 5


(5)
そんなアキラたん…。
俺はトホホな気持ちになった。だが、ペットボトルの影からそっと見える
アキラの瞳は俺を観察するように見つめている。
喉の動きを見ていると、いよいよ喉が渇いてくるような気がした。
「のど、乾いてますか?」
ちゅぱっとペットボトルの飲み口から口を離し、アキラは試すように笑う。
頷くと、アキラは再びペットボトルを口にし、そのまま俺の口を塞いだ。
――駄目だ。
駄目だよアキラたん! キミに移したくないから俺は……!!
俺は足掻いた。だがアキラの細い肩を押し返すことはどうしてもできず、
そのうちにその薄い肩を抱きしめてしまっていた。
何度も何度もアキラが口に含んで、俺に飲ませるアクエリアス。
歯の隙間、唇の隙間から少しずつ染み出してくる甘ったるいそれを
夢中で吸いながら、いつの間にか俺はアキラの舌をむさぼっている。
それどころか、俺の自制の聞かない両手は、アキラのセーターの内側の
滑らかな肌を摩っていた。
「尚志さん…いつもよりも熱い…」
それはそうだよ。いつもより3度も体温が高いからね。
俺は何も応えず、アキラを布団の中に引きずり込んだ。

アキラの手から離れた500mlのペットボトルは、もう空き瓶になっていた。



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