Shangri-La 5


(5)
「そんなに『彼女』が大事か?」
緒方はアキラの一番敏感な部分に手をかけた。
身体を駆け抜ける感覚に、アキラは思わず声を上げそうになった。
歯を食いしばってこらえながら、潤んだ瞳で緒方を睨む。
波がおさまるのを待って、アキラは口を開いた。
「緒方さんには…関係ないでしょう」
「『彼女』は1ヶ月先のスケジュールまでキャンセルしてるそうじゃないか」
(――え…?)
緒方はアキラの答えなど意に介さない様子で、アキラを愛撫する。
「その様子じゃ、何も聞いてないんだな」
アキラは思わず顔を背けた。
(なぜ緒方さんは進藤のスケジュールのことを?なぜ?)
疑問ができたおかげか、アキラの理性は徐々に快楽に打ち勝ち始めている。
「これから1ヶ月も放っておかれるんじゃぁなぁ。淋しいだろう?」
「――緒方さんには関係ないでしょう。もうあなたとは終わったんだ」

緒方はアキラの顎を掴み、自分を向かせた。
「終わった?じゃぁ今のキスは何だ?本当は欲しいんだろう?
欲しくて欲しくてたまらないんだろう?違うか?」
(――やっぱり。緒方さんは分かっていた…。)
「あいつとのおままごとの恋愛ごっこで満足してるのか?
しかもお前は放っとかれてるときた…」
(でも。)

「今なら許してやる。オレが欲しいんだろう?」

緒方はまたアキラにキスをした。アキラの悦ぶように口腔内を蹂躙する。
アキラは両の拳を握りしめて、その甘い痺れに耐えた。

「緒方さん。――離して下さい。僕、帰ります」
アキラは自分の上の緒方を押しのけ、背を向けた。



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