通過儀礼 覚醒 5
(5)
「アキラくん、痛いの早く治そう。大丈夫。怖くないよ」
たかしは優しい声でそう言う。それに促されるように、アキラは手をどけた。先ほどの快
感で、アキラの羞恥心は一気に消え去っていたのだ。たかしによく見えるよう、脚をゆっ
くりと開こうとさえする。
「あれ〜? どこにも怪我したとこがないね」
たかしはアキラの股間に顔を寄せて見つめる。そのためたかしの息が股間を優しくかすめ、
そのくすぐったさにアキラはそこがムズムズするのを必死でこらえた。
「ねぇアキラくん、どこが痛いの?」
何の異常も見当たらない股間をマジマジと見つめたたかしは、アキラの珍子にふれた。
「ヤァッン!」
直にふれられたアキラはつい声をあげてしまった。
「え? アキラくん大丈夫? チンチンが痛いの? どんな風に痛い?」
そう聞かれたアキラは何も言えなかった。なぜなら痛いのではなく、気持ちよかったから
だ。だがこのまま何も言わないままにするわけにはいかないとも思った。
「…えっと、ズキズキする」
それを聞いたたかしは救急箱から薬をさがす。そして大きな箱を取り出した。
「ズキズキするっていったら捻挫とかだよね。そっか、だから見てもわからなかったんだ」
たかしは痛みの原因が何かわかりホッと安心すると、箱から湿布を取り出した。そしてア
キラの股間にあわせてカットすると、そこへ貼り付けた。
「ア…冷たいッ」
アキラはぶるぶると体を震わせる。
「大丈夫。これでもう治るから、ちょっと我慢して」
たかしは湿布がはがれないようにぎゅっとそこに手を押し付ける。すると湿布の上からで
も形がよく分かるくらい、珍子が浮き彫りとなった。
アキラは珍子が湿布のねっとりとした粘着物に包まれる感覚と、やんわりとそれを包み込
むたかしの手が気持ちよくて目を閉じて感じていた。
「…アキラくん、気持ちいいの?」
気持ちよさそうに目を閉じるアキラを見て、たかしは不思議そうに言う。
アキラはハッとして目を開けた。
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