昼食編 5


(5)
「お会計、○○○○円になります。」
涼やかに言う店員に、ヒカルが財布からお金を出そうとすると、追いついたアキラがヒカルの肩を掴む。
「ちょっと待て、進藤、ボクの分…」
「いいよ。」
「いいよってどういう事だ。」
「無理言ってつき合わせたんだし、奢るよ。」
「キミに奢ってもらう筋合いなんか無い。
すみません、コーヒー、おいくらでしたか。」
「え?はい?」
店員がアキラとヒカルを交互に見、困ったような顔のヒカルと依然ムッとした顔を崩さないアキラに、
思わず噴出しそうになるのをこらえながら、ビジネススマイルで彼女は言う。
「○○○円ですけど。」
それを聞いてアキラは財布を開く。
「えー、塔矢ぁ、いいって言ってるじゃん…」
「キミに借りなんか作りたくない。」
ヒカルを横目でチラリと見て、アキラは冷たく言い放ち、
「ボクの分。」
と、財布から出したお金をレジ横の皿に置き、そのまますたすたと店を出て行った。
「え、おい、塔矢、」
仕方が無いので、ヒカルはそれに自分の分を足して、レジに差し出した。
店員はにこやかにそれを受け取り、お釣りとレシートをヒカルに渡しながら言う。
「はい、×××円のお返しです。
それからこれ、サービス券。また来てね。それと…」
彼女はふふっと小さく笑って、言い足した。
「頑張ってね。」



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル