恋 Part 4 5


(5)
それだけじゃない。
全身で僕にしがみつく腕。
離さないと言いたげに、背中を抱いてくれる進藤の掌の熱は、僕を惑溺した。
繋げた器官と器官が馴染むまで、僕たちはじっと抱き合っていた。
重ねた胸で固く勃ちあがった乳首が、擦れ逢うだけで僕はしびれるような快感に我を忘れた。
本能のまま、彼を犯したいと思うことも多々あった。
だけど、それよりも彼と抱き合い、耳元で彼の熱い呼吸を数えていることが嬉しかった。
進藤は、繰り返し囁く言葉があった。

『俺の中に、おまえがいる』

その事実を確かめるような進藤の言葉は、僕の中の熱を際限なく煽った。

『おまえが、俺のなかで脈を打っている』

それは僕も感じることだった。
僕は僕で、進藤の脈を昂ぶる器官で感じていた。
それは夏の波を思わせる熱いうねりだった。

『おまえは生きているんだな』

僕はその言葉に励まされ、ゆっくりと動き出す。
同じ時代に生まれ、こうして巡り合う事のできた幸せを噛み締めながら、僕は進藤と体を交わす歓びを貪った。

だが、そうして幸せに浸っていられたのは、そう長いことではなかったんだ。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル