弄ばれたい御衣黄桜下の翻弄覗き夜話 5


(5)
上がった悲鳴の高さに、門脇は慌ててヒカルの口を塞いだ。
門脇の指が、熱の凝縮したヒカルの中心に触れたのだ。
「ははっ。ここ、こんなに膨らませて。かわいいねぇ、ガキンチョは」
(おもしれぇ)
困ったように身をよじるヒカルの態度が、門脇の悪戯心を助長した。
そんなことには気付いていないヒカルの、封じられた唇が、何か言い返す動きで
手のひらをくすぐるので、門脇は少し口を塞ぐ手を緩めてやる。
「…………っっ!」
聞き取れない声に、門脇は自分の頬を肩越しにヒカルの頬に押し付け、耳を近づけた。
「…ふざけんなよ、放せよ!」
「お、強気じゃん」
ヒカルの熱い昂ぶりに触れる手を、わざとらしくさわさわと動かしてみる。押したり
撫でたりを繰り返す。
「んっん、ちょっっ……っ、んっ」
もがくヒカルを、背中から抱き込み、しっかりと肘をつかって自分の腕の中に
固定する。
そうしながら、ヒカルの固くなった物を、デニム生地の上から悪戯するのはやめない。
「ん……、やだ…っって、かどわ……いいかげんに……んっ」
ヒカルの口を塞ぐ指の隙間から、小さく声が漏れる。
門脇は植え込みのあちら側にに目をやった。向こうは向こうでクライマックスで、
こちらの騒ぎに気付く様子はない。女の喘ぎが、ますます高く、夜の乾いた空気を
打つ。
門脇は、ヒカルの耳元に意地悪くささやいた。
「いやなら、放せよ。こんなに締め付けられちゃ、腕、引き抜けないんだよ」
相変わらずヒカルの太腿は、その間に門脇の腕をがっちりと締め付けたままだ。
その上、当のヒカルは、それで腿の力を緩めるどころか、門脇のその言葉とともに
耳の後ろに吹きかかった息に反応して、体を固く縮めてしまう。
門脇にはそれが、何とも可笑しくてしょうがない。



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