初めての体験 Aside 番外・ホワイトデー 5


(5)
 ところが――――――――
「………もう…塔矢……バカ…」
進藤はほんのりと目元を染めて、ボクを流し見た。ゾクリとした。下半身から震えが駆け上がってくる。
「そんなことわかってるよ……バカだな……ホント…バカ…」
ああ〜押し倒したい!したい!したい!すぐ、したい!
「し、し、し、しんどぉ………!」
ボクが進藤の肩に手をかけようとした瞬間、彼はそれからするりと避けた。
「ダメ!ダメだよ…これから、このケーキ食って、碁を打って…それから……だよ…」
最後の方をゴニョゴニョとごまかして、進藤が真っ赤な顔で俯いた。
「そ、そうだよね…!」
声がひっくり返ってしまった。恥ずかしい。ちょっと焦りすぎた。
 ボク達はお互い真っ赤な顔で俯いてしまった。何とも言えない雰囲気が部屋に充満している。
色に例えると艶めかしいピンク色のような甘酸っぱいレモン色というか………なんというか
ドキドキする。
 「あ、そだ!オレ、オレもおやつ持ってきたんだ…」
進藤が、その妙な空気を払拭しようと話題を変えた。
「ほら、コレ。」
と、鞄の中から二十センチ四方の缶を取りだし、ボクに手渡した。
「クッキーだよ。」
進藤は、そう言って笑った。



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