初めての体験+Aside 5
(5)
ヒカルの柔らかい掌に包まれて、社はまた大きくなった。ヒカルは、片手で、睾丸を
優しくもみながら、もう片方の手で、ペニスの根本を少し強めに握った。そして、ゆっくりと
竿を擦り上げる。
「あ…はぁ…進藤…」
「社、気持ちイイ?」
「ん…イイ……」
ヒカルは、薄く笑うと、手の動きを早めた。
「あ…あぁ…出る…」
ヒカルの手が、ペニスの先端を包み込み、その中に社はすべてを放ってしまった。
「じゃあ、行こうか?」
ヒカルはそう言うと、来たときと同じようにスタスタと前を歩いていく。ここに来るまでに、
かなり折れ曲がったり進んだりしたので、社にはどこをどう歩いてきたのかまるで憶えていない。
だが、ヒカルは何の躊躇いもなく、角を曲がり、道を進む。
『なぁんや…進藤、方向音痴とちゃうんや…』
だが、前を歩くヒカルの背中に、妙に頼もしさを感じたりもした。要するに、自分は
ヒカルのやることなら、何でも許せるのだ。進藤ヒカル=社の好みなのだ。
―――――でも、ほんなら何で地図なんか持っとったんやろ?
ヒカルに地図など必要ない。自分を引っかけるためにわざわざ用意したとも思えなかった。
「社?疲れた?」
ヒカルが心配そうに声をかけた。考え事をしていたせいか、いつの間にか、ヒカルとの
距離が開いていた。
「全然、へーきや。」
社は、慌ててヒカルの所まで走って行った。
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