やりすぎ☆若゙キンマン〜ヒカルたん癒し系〜 5


(5)
日も暮れ静まり帰った森の湖の畔に若゙キンマンは一人佇んでいた。
服を脱ぎ、ゆっくりと湖の中へ入る。だが疲労と激痛ですぐに倒れてしまった。傷だらけ
の体には水さえも凶器と化していた。突き刺さるような痛みが体中を走る。だが若゙キンマ
ンはそれでももっと深いところを目指した。そして腰まで浸かれるところに来ると、ゆっ
くりと手を下半身へ伸ばす。そして尻の穴へ指を入れ、中のものをかきだした。どろっと
白いものが体外に出て行くのを感じる。
若゙キンマンは空を仰いだ。東の空に不気味な赤い光を発している月が見える。まるで血塗
られたような毒々しい赤さに吐き気がした。
オガタの高笑いが耳から離れない。罰と称して行われた行為は、若゙キンマンに体だけでな
く心にも傷をつくっていた。ただでさえヒカルたんに裏切られたショックが大きいという
中で、その罰を受けるにはあまりにも酷なことだった。
しばらく呆然と月を見上げながら佇んでいると、背後に人の気配を感じて振り向いた。
そこには息を切らしながらふてくされた顔をするヒカルたんが立っていた。
その顔を見て、若゙キンマンは今すぐにでも飛びつきたい気持ちだった。けれども自分を見
る冷たい目がそれを思いとどまらせた。
「こんなとこで何遊んでんだよ。若゙キンマンだか誰だか知らないが、おまえのせいで夕飯
が食べれないんだぞ。さっさと帰ってこいってんだ。このバーカ」
「…そうか。ごめん」
謝った若゙キンマンを見て、ヒカルたんは帰るために飛び立とうとした。けれども俯いてい
る若゙キンマンが泣いているような気がしてやめた。
「ごめん。オレもちょっと言い過ぎた。けど、そんなことでおまえもいちいち泣くなよ」
だがいっこうに話そうとも動こうともしない若゙キンマンに、ヒカルたんは仕方ないと諦め
て湖の中へ入った。
「なァ、本当にオレが悪かったって」
すまなそうにヒカルたんは近づいた。しかし若゙キンマンは突然騒ぎ出す。
「来るな! それ以上ボクに近づくな!」
「はぁ? どうしたんだよ、おまえ」
逃げる若゙キンマンを訝しく思い、ヒカルたんは追いかけた。だがその原因はすぐわかった。
ヒカルたんはそれを見て我が目を疑った。



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