平安幻想異聞録-異聞- 5 - 6
(5)
「ふざけんな!放せよ!やめろっ!」
必死で叫ぶヒカルの顔をニヤニヤ笑って眺めながら、座間はかまわず手を進めた。
その武骨な指が後ろの門にふれると、おびえたようにヒカルの体が跳ねた。
「そんなとこ触るな!」
「おやおや、まるで初めてのような反応じゃのう。それとも佐為殿に操をたてておるのか?
佐為殿以外にはここは触らせぬと」
「何言って……」
「可愛がられておるのだろう?佐為殿に…ワシとしては、稚児を愛でるならもう少し
大人しいほうが好みなんじゃが、たまには違う味付けの肴を味わうも一興よのう」
ヒカルはそこでやっと、座間に佐為と自分がそういう関係だと思われているのに
気がついた。
宮中の貴族の趣味でそういうのがあるのは知っていたが、
まさか自分がそんな風に見られていたとは…。
「佐為は、そんなヤツじゃない! 佐為はこんなこと絶対しね……うっ!」
きつく閉じられた門の入り口を破って座間の指先が入りこむ感触に、
ヒカルの言葉は途切れた。
座間の指はさらに、強引にヒカルの肉のなかにねじ入り、中をゆっくりかき回す。
「や、やめ……っっ」
「ふふふ、きついきつい。どうやら本当に初めてらしいのう」
座間はさらに、ヒカルが身動きとれないのをいいことに、
中に入った指をうごめかしながら、ヒカルの腰の脇をじっとりと舐めあげた。
感じやすい場所を刺激されたこそばゆさと、座間の湿った舌の気味悪さの
ないまぜになった奇妙な感覚にヒカルは小さくうめき声をあげる。
座間の舌はさらに調子にのったように、微妙に舌をうごめかしながら、
ヒカルの腹の上をはいずり回り、さしずめなめくじが這った後のような銀色の道筋を残しつつ、
やがてその先の薄い茂みの向こう、
いまだ怯えのためか萎えたままのヒカル自身にたどり着いた。
(6)
自身を座間の舌にゆるりと舐めあげられ、ヒカルが抵抗を再開する。
無駄と知りつつ、体をよじって振り払おうとせずにはいられなかった。
「…っ! …畜生!やめろよ!この変態!放せっ」
「いちいちうるさい肴じゃのう。これでは集中できぬわ。顕忠!」
「はっ、ただいま」
菅原は一礼すると、果敢に自分をにらみ据えるヒカルの顔近くにかがみこみ、
手早く狩衣の切れ端でヒカルの口にさるぐつわをしてしまった。
「う、う〜〜〜っっ!!」
「しかし、これでは、儂のをくわえさせることは出来んのう。残念じゃ」
「いたしかたありません。この様子では、くわさせても座間様の大事なものを
食いちぎるいきおいです」
「とんだ毒魚じゃな」
「まこととんだ毒魚で」
「どれ、では佐為殿さえもまだ味わったことのない肴の味をゆっくり
吟味するとしようぞ」
座間の舌がゆっくりと、ヒカルの薄い茂みの上からヘソの下にかけてを舐めあげる。
同時に、後ろの門に入ったままだった座間の指がさらに奥へと侵入する。
ヒカルが嫌がって体をよじるのさえ、座間は楽しそうだ。
座間の指が中でくいっと曲げられ、ヒカルの前立腺を内側から、
ほとんど直に刺激する。
いままで感じたことのない直接的な快感は、一瞬にしてヒカルの背筋をかけのぼり、
ヒカルは体を弓なりに反らせた。
「こらこら、あまり跳ねるでないぞ」
そう言いながら、座間はヒカルの肌を舐め上がり、ついに胸にの小さな果実を口に含み
舌で転がしはじめた。
そうしながら、中の指をうごめかして、ヒカルの性感を刺激することも忘れない。
「………っっ!!」
さるぐつわを噛まされているため、声をあげることさえ出来ないヒカルは、ただ
イヤだという意思表示をするために頭を左右に振ることしか出来なかった。
座間は口の中でヒカルの胸の突起を転がしながら、中に入れる指を2本に増やす。
痛みにヒカルの体が跳ね、、まなじりにうっすらと涙が浮かんだ。涙は痛みの為ではない。
屈辱のためだ。
「お味の方はいかがです?」
訪ねる菅原に、一時ヒカルの肌から顔をあげた座間は
「甘いな」
と返す。そして次には、ヒカルのまぶたの端に光る涙のつぶもその舌で舐めとると
「こちらはしょっぱいな」
と笑う。笑いながら、2本を飲み込むのさえ精一杯だった秘門に3本目の指をねじ込んだ。
ヒカルの布を噛まされた口から声にならない悲鳴がもれ、秘門の端は切れて、
血をにじませた。
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