ルームサービス 5 - 6


(5)
「入れよ」
オカッパに言われて、硬直していた体がようやく動いた。
ドアを閉める手が汗ばんでいる。視線は机の上の裸身から離せない。
俺の視線を意識しているのかどうかはわからないが、生き物は、唇を
噛み締めて頬をそむけている。
驚いたことにその生き物は男だった。広げられた手足の中心には間違
えようのないものが、屹立し、きらきらと光っていた。さっき俺がも
ってきたメープルシロップが塗られているらしいと気が付いた。
人数にしてはやたらと量の多い注文だった。それはつまり食べるためで
はなかったらしい。腰枕をあてがわれているので、生き物の広げられた
足の奥まで、よく見えた。
生き物は・・・・。
華奢な足の中心からは、あわれにもグロテスクな異物がのぞいていた。
ヴァイヴではない。それにはコードがついてなかった。
唖然として何もできず、ただ生き物を見つづける俺の様子に満足した
ようにオカッパが、ソースで汚された、小さな乳首に唇をよせる。
そっと含んだかに見えたが、意表をついて、オカッパの髪は激しくゆれた。


(6)
「・・・・」
生き物は声を我慢したが、広げられた手足の震えから、緊張する内股の
筋肉から、感じているのがばればれだ。
弱弱しく震える睫に絡まった涙。噛み締められた唇からかすかにもれる吐息。
何かを訴えようとして、開き、またとじる唇。
弾けるような欲望が沸くのを感じた。
さわりたい。
この生き物の体中を思う存分なめまわしたい。
「さわるな」
オカッパの声に我にかえった。知らないウチに手を伸ばしていたらしい。
「汚い手で進藤にさわるなよ、犬」
「なっ」
言葉も出ない俺の顔を見てオカッパは笑う。
「エサをちらつかされてのこのこやってくるのは犬だろう」
「な・・・に言ってるんだ、お前」
そもそも来いと言ったのはこのオカッパではなかったか。
「犬は犬らしく口を使え」
「は・・・あ?」
「コレを」
オカッパは進藤(生き物の名前らしい)の足の間にはまってる
・・・(いわゆるプラグってヤツだろう)を示した。
「くわえて抜けよ。奥にはエサがつまってるぜ」
「や・・・だや・・・だって塔・・矢」
生き物が哀願する、だが、オカッパが生き物の体に唇を落とし、
愛撫を始めたので、すぐに生き物の声はイミのない嬌声に変わる。
「あ・・あ・・や・・ぁあ・・・やぁ・・・・あ」
生き物が拘束された体を机の上でひねる。可愛らしい唇が震える。



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